サーキュラー・エコノミーで「大量廃棄」を見直す

コロナ禍で苦しむ飲食店を応援しよう!とテイクアウトで注文することがありますが、食後は、店内で飲食すれば出なかったであろう容器のゴミたちを見て罪悪感を覚えます。

「大量生産、大量消費」は私たちに物質的・経済的な豊かさをもたらしましたが、大量消費の後にくる「大量廃棄」について、私たちは日々、どの程度、意識しているのでしょうか?

私たちのほとんどは、臭いものに蓋をするかのように、ゴミ箱にポイっと「廃棄」した後のモノについて、見たり聞いたり考えたりしないで生活をしています。もちろん、各自治体のルールに従ってゴミの分別をし、「明日は不燃物回収日だ」とか、「これってペットボトルなの?」とか、考える瞬間もありますが、あっという間にゴミ以外のことに関心が戻ってしまいます。だからこそ、そうしたモノの作り手である企業が、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)の視点でモノづくりを進めることが大切です。商品を「作って売る」では終わらない。消費者がそれを使用し、その後「廃棄」する場面までを見越して、商品・サービスの設計を行っていく。これが今、求められるモノづくりの姿です。

先日、東京FMで、『うんちの行方』(新潮社、2021年、神館和典氏・西川清史氏共著)を書き上げた神館氏が、その取材時の様子を話されていました。ここでは詳述しませんが、私たちがトイレで「廃棄」したモノの先には、生態系のエコシステムの偉大さを感じるお話がてんこ盛りでとても興味深く拝聴しました。

蓋をしたい臭いモノと言えば、生ゴミもそうです。先月から私は、電源を必要としない、生ゴミを堆肥化するコンポストを定期購入しました。個人でできる循環型社会へ向けた取り組みの第一歩です。まだビギナーですが、将来的には、捨てた生ゴミでできた堆肥を使ってベランダでお野菜を作れたらと思っています。

ゴミについて先進的な取り組みをしている自治体があります。徳島県上勝町です。コロナが収束したら、ぜひこの「ゼロ・ウェイスト」の町・徳島県上勝町にあるHOTEL WHYに宿泊し、企業と個人双方の視点でサーキュラー・エコノミーの在り方について勉強してみたいと考えています。

(佳)