人とくるまのテクノロジー展2022横浜

弊社の支援先が出展する「人とくるまのテクノロジー展2022」を見てきた。展示会には、自動車メーカーだけでなく、素材、部品、バッテリーなど幅広い事業者が出展、技術をリアルに確認できる久しぶりの場とあって、会場内は多くの来場者で混み合っていた。

今回、主催者である自動車技術会が掲げるテーマは「新たな脱炭素技術が照らすカーボンニュートラルへの道」である。国土交通省のデータ(2019年度)によると、日本の二酸化炭素の排出量のうち、自動車、航空、鉄道など「運輸部門」は19%を占めている。さらに内訳をみると、航空や鉄道は各々4-5%と少なく、自動車(自家用も営業用も含む)が85%を排出している。

会場ではトヨタ自動車がBEV(バッテリー電気自動車)「bZ4X」とFCEV(燃料電池車:水素と酸素を化学反応させて電気をつくる)「MIRAI」の双方を展示していた。どちらがカーボンニュートラルの道を走るのに相応しいだろう。この場合、走行距離などクルマとしての性能だけでなく、エネルギーを作る段階、社会インフラとして定着する段階までを含めた社会実装という観点で、どの選択肢がカーボンニュートラルを実現するのに相応しいかを考える必要がある。

現在日本で供給される電力のうち、非化石燃料由来の割合は15%程度しかない。理想的には、太陽光発電から得た電力を使って水を電気分解し、水素を製造する「グリーン水素」に期待したいところである。「グリーン水素」は製造コストの低減だけでなく、全国のステーションに運び、貯蔵する技術的なハードルはかなり高いと思われるが、業界の垣根を超えた提携や協業から日本のエネルギー事情にあった道筋(未来)が見えることに期待したい。   (弘)